ぴ〜教授のショートサスペンス  あなたはこのfinalに耐えられるか!

 
  女優-1('02/10/26)  女優-7('02/12/15)    究極玩具-4('03/2/16)

 
 女優-2('02/10/30)  女優-8('02/12/16)    究極玩具-5('03/2/22)

 
 女優-3('02/11/3)   4人の男('03/1/22)    究極玩具-6('03/2/28) 

 
 女優-4('02/11/10)  究極玩具-1('03/1/27)

 
 女優-5('02/11/16)  究極玩具-2('03/1/30)

 
 女優-6('02/11/26)  究極玩具-3('03/2/1)
   


 究極玩具−4

メイ?誰だろう。」記憶にメイという女はいない。得体の知れない不安とある種の期待もいだき、
俺は、いつもの
もぐらカフェに行った。「やあ、おやじさん。」「お、ぴ〜さんか。ボンジュール!もう、ぴ〜さんの相手は
ここにはいないぜ。」ここのおやじは、フランスかぶれで、なんでも若い頃、フランスにいたらしい。最近のフランス
旅行で
、もぐらたたきに出会い、日本に帰ってから、この店をはじめた。俺たちは、NonNonおやじと呼んでいた。
もぐらたたきの腕前も、このカフェではNo2.リングも99964位である。

「おやじさん、俺に会いたいって人から、ここに呼び出されたんだけど、なんか聞いてない?」
「誰だい、その人って?」「
メイって人だけど」
「えぇ、
メイだって!!そりゃあ、ぴ〜さん、おめでとう。また1つランクアップのチャンスだぜ。」
「この人は、次のランクグループのゲートキーパーなんだ。待ってろよ、今BBSで調べるから。
出てきた。今夜7時、
ぴ〜さんが来たら、よろしく」

「じゃあ、案内するよ。」俺はおやじの跡をついていった。いつものプレールームを横切り、さらに奥へ。
そして、1つのドアの前にでた。「さあ、中へ。彼女が待ってるはずだ。」
俺は言われるまま中へ入った。高級感漂う、エグゼクティブクラスの空間である。
奥のソファーに女が座っていた。

「あのう、
メイさんですか?」「ぴ〜さんね、どうぞ。とうとうここまで来たわね。私、メイです。」
振返ったその顔を見た。知らない顔ではなかった。2,3回会っている。そう、常務秘書の
浜崎皐月
「浜崎さんじゃないか、君が
メイか。」社内一と言われている美人である。そして、彼女の中指にのリングを
確認した。「君もするのか?」「そうよ、私も社内では相手がいなくなってね。ずっと待っていたのよ。だからって
これ以上の上のランクもいけないしね。
もぐら協会から次に上がれる人をチェックする、ゲートキーパーを担ったの
じゃあ、しましょうか。」

「君とか」「そう、私と」
モニターを向かい合わせた。私は愕然とした。モニターに映ったもぐらたちは、
【社長、副社長、専務、常務、取締役】
いわゆる会社経営幹部であった。「おい、マジかよ。内の会社は
クローンが経営してるのか!」
「そう、私を弄だ男達。おもしろいでしょ。私のコレクションよ」
「彼らを取り戻し健全な会社にしないと!」というような妙な正義感が湧いてきた。
そして、ランクを確認
10000位

「8万ぐらいの差がある。しかし、やらねば。ランダムでやろう。」「いいわよ。」ランダムボタンを押した。
ゲームが決まった。
【しりとり】である。スタート。しりとりは永遠と続いた。これは記憶の限界、体力の限界が
勝負を決する。そして、24Hが経過した。俺は仕掛けをかけた。彼女を見て、ウィンクをした。彼女は一瞬
私の言葉を逃した。そして勝負は決した…。

俺は楽しみだった、次の点数とランクが。点数 
2022220 ランク8025位 リングは黒
とうとう0.01%の域に達した。そして、幹部は開放された。彼らはどれくらい
もぐらだったんだろうか。
これからの昇進が楽しみだ。

「おい、
ぴ〜さん、負けただろう。」と言いながら、俺のリングが黒に変わっているのを、NonNonおやじ
確認した。「ヒュ〜。こりゃあ、もう俺達の世界の人じゃあなくなった。すごいな
ぴ〜さん、これからは、闇の世界だ
俺にもわからねぇ。気をつけろよ!」

浜崎皐月とはそれ以来付き合っている。よき、アドバイザーとして。そして、彼女との過酷な練習が続いた。
もぐらたたきのバーチャルゲームは新しいメニューが毎回追加されていく。この攻略が、キーである。
このころ勝負の場所に使われたカフェは、ちょっと高級なクラブになっていた。昔賑わった銀座界隈も
この手のカフェに変わらないとやっていけない時代だ。

私がよくプレイに出かけたのは、
「J」という店で、こぎれいな落ちついた店である。ママの名前はKumi
きっぷのいいママで勝負がつかない時も、そのままオープンしてくれたし、泊めてもくれた。ママ自身は
もぐらたたきはしないらしいが、この筋の人とは付き合いがあるようである。

そして9ヶ月が過ぎたころ、俺のリングは
ゴールドに輝いた。98位

しばらくしてメールが届いた。

     レインボー挑戦権争奪トーナメント開催のお知らせ
     
時:3月25日 AM0:00 スタート
     
詳細はおって連絡いたします。
     今回は、日本から3人、米国2人、中国2人、インド1人、フランス1人、コートジボアール2人
     ブルガリア2人、ブラジル2人の15人がベスト100に入られました。
     あなた様の参加をたのしみにしています。



(…つづく)