ぴ〜教授のショートサスペンス  あなたはこのfinalに耐えられるか!

 
  女優-1('02/10/26)  女優-7('02/12/15)    究極玩具-4('03/2/16)

 
 女優-2('02/10/30)  女優-8('02/12/16)    究極玩具-5('03/2/22) 

 
 女優-3('02/11/3)   4人の男('03/1/22)    究極玩具-6('03/2/28) 

 
 女優-4('02/11/10)  究極玩具-1('03/1/27)

 
 女優-5('02/11/16)  究極玩具-2('03/1/30)

 
 女優-6('02/11/26)  究極玩具-3('03/2/1)
   


 4人の男

電車にギリギリに駆け込んだ。おかげで最後尾の車両になってしまった。
「これじゃ、乗り換えに間に合わないかもしれないなあ。しかたないか。」
そう思って、いつも乗らない車両をゆっくりみまわした。
「もちょっと、前がすいてるようやな。ちょっとあそこまで行くか」

そこは、四人が座れるボックス型のシートとなっている。なんとかそこまで行くことができた。
「あれ、一人分あいてるぞ。なぜ、座らないんだろう。」ちょうど、そのボックス席の前に
一人のおじさんがつり革をもって立ってるのであるが。

「あのう、ここ座っていいですかね。」「……」
おじさんは、なにも言わない。「いいのかなあ」と思いながら、座った。
かすかに、丁度私の前に座っていた人の、右手が
Vサインをしたような気がした。

気のせいか、ボックス席の人は何も言わず、めがねのかけた前の人はスポーツ新聞、
サラリーマン風の隣の人はなんかの小説、ジャンパーを着た前の窓際のひとは外を見ている。
しばらくして、つり革をもって立っている人が、
Vサインをした。
それに会わせ、3人がうなずいた。それだけだった。

やがて、次の駅についた。OLがつり革をもったおじさんのとなりに立った。
今度は、サラリーマン風の男と窓際のおじさんが右手で
Vサインをした。
やはり、あきらかに
Vサインだったのだ。
しばらくして、つり革のおじさんが指を
3本だした。

「なに、
Vサインじゃないのか!」私は、心のなかで遊んでいた。
Vサインじゃないということは、前のはなんなんだ。そうか2本か!数を表してるんだ。」
またしても、それだけだった。4人はまた、沈黙しながら一人は外を眺め、一人は新聞を読み
一人は小説を読み、一人はつり革にぶら下がっている。

やがてまた、次の駅に停車した。なにかおこるのではないかと、私は期待していた。
つり革の男が時計を見だした。急に、これが限界といわんばかりに、急いで電車から
駅にとびおりた。と同じに、扉はしまった。
なんだ、あのおじさんは。残った3人の一人が、なにやらノートをとりだし、記入した。
そして、残りの二人に「これでいいね。」っと確認していた。「いいですよ。」

おそるおそる私は、3人のうちの一人に聞いた。「なんかしてるんですか。」
「あなたもしますか」といってノートをつけていた人が、名刺をくれた。
名刺にはこう書いてある。

通勤途中をたのしく過す会 会長】
【入会金 0円 1ゲーム200円】
【3ゲーム負けると、負けが決まった駅で降りる】

「なるほど、おもしろいことをやってたんですね。で今日のゲームはなんだったんですか?」
「聞きたいですか、今日はね」 

 1 ボックス席の空いたシートに
がすわるか?
 2 次にボックス席にくるのは、
OLか?
 3 ボックス席に座った人-つまり
あなたが、次の駅でおりるか?
   だったんですよ。

 そして、4 まだあるんですよ。あなたがこれからのゲームに参加するかです。
 3人は今にも
Vサインをだそうとしていた。