エピソードC社シリーズ8 

"運の悪い京都の"やくざ"の巻"


京都は"やくざ"の多いことでも有名である。

ある免許取りたての女子大生が車を運転していた。
交差点の手前で、信号が赤になりかけであったが、むこうみずの女子大生は、
そのまま、つっきろうとした。ところが、前を走っていた"まっ黒い外車"が急ブレーキをかけた。
初心者ドライバーの女子大生は、すぐ反応しきれず、ブレーキをかけるのが遅れてしまった。

結果、"ガァーン"と音がして、"まっ黒い外車"に"おかま"してしまった。
"まっ黒い外車"の左ドアがゆっくりと開き、中から現れたのは、京都でもたちの悪いことで有名な組
の若造の"やくざ"だった。名前をTといった。

T『おーっ、ねえちゃん、かわいい顔して、なかなかええ度胸しとるな。このキズどないしてくれるんや!!!
スピードをあまりだしていなかったせいか、みたところ"かすりきず"であったが、そこは"やくざ"である。
そう簡単にはカモを逃がさない。

T『こいつはどうみても50万円はかかるな。さっさと金ださんか、こらっ!
それともなにか、体ごと東南アジアに売り飛ばされたいんか。』

女子大生は手持ちのお金がなかったので、名刺を渡して何とかその場は逃れたが、
普通なら骨の"ずい"までしゃぶられるパターンと思われたが…

Tは組に帰ってから、G組長にこのことを報告した。
T『G組長、ええカモがみつかりやしたぜ。なかなかきれいなねえちゃんで、たこう売れまっせ。』
ところがG組長が女子大生の名刺をみたとたん、顔が青ざめた。その女子大生は、G組が一番
お世話になっている会社"K組"社長のおじょうさんだったのである。

G組長がすぐに、その"K組"社長のところに電話をかけ平謝りにあやまったことはいうまでもない。
『いやあ、うちのTいうもんが車をバックさせよったんですわ。以後気をつけますんで勘弁してやってもらえますか。』

その後、Tの消息は途絶えた。
すまきにされ"重し"をつけて大阪湾にほりこまれたというもっぱらのウワサである。

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