エピソードC社シリーズ1 (投稿 大阪 S.N)

"F氏との交遊録 その1"
『"酔っ払い初段"』の巻

今は昔、C社西日本に伝説の人F氏ありき。

第10期事業計画発表会の帰り、C社幹部のF氏≠ヘ朝まで飲んだくれ、当時の国鉄大阪駅から
環状線始発にのった。

F氏は、幹部として当然のことながらC社スーツ∞C社ネクタイ∞C社ネクタイピン
C社カフスボタン∞C社腕時計∞C社靴下を身にまとい、とても眠たかったので、鉄パイプ
をよじのぼって網棚の上にのり、これをハンモック代わりにして、C社アタッシュケースを枕に、
すっかり寝込んでしまった。

3時間経過し、8時過ぎとなった。平日だったので、ラッシュアワーである。

ハッと気がついたF氏が、目を開けると、満員電車にのっているサラリーマン・OLたちの
刺すような視線を感じた。指をさし、何やらヒソヒソ話をしている人たちもいた。

F氏は、この場をどうやって逃れるか考えたが、妙案は浮かばない。
電車内は立錐の余地もなく、網棚から降りようもない。

ふと思い付いて、突然飲みすぎで気分が悪くなってきたふりをしてみた。『おっ、吐くぞ!』と誰かが叫んだ。
すると奇跡が起きた。十戒≠フ映画みたいに、群集の間が割れ、人が通れる道ができたのである。
F氏C社スーツをひるがえし、C社アタッシュケースを抱えて、ひらりと舞い下りた。
ちょうど駅についてドアが開き、F氏は何事もなかったように、さっそうと$E場へと出勤していった。
その輝く後ろ姿を見て、電車内から拍手が湧き起こったという。

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