エピソード14 彼岸花

彼岸花なにを便りに咲くのやら

これは、8年ほど前に私が詠んだ俳句です。
いつもこの彼岸の季節になるとこの俳句が自然に出てきて、生命の神秘さ
仕組みに感動するのです。
彼岸花は曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも言われ、9月20日頃〜25日頃に
かけて咲く花で、田んぼのあぜ道なんかは、この花の真っ赤な色で埋めつく
されます。その赤さは、朱色であり、血の色を連想させます。
別名”毒花”ともいわれるゆえんかもしれません。

この華が、なぜこの時期にいっせいに咲くのでしょうか?死者の魂を癒すのでしょうか?
魂をやさしい掌で包み込むような雌しべ、花弁の形は不思議でなりません。
この季節のこの時期を逃せば、見れないというのも、不思議です。
花の遺伝子DNAには、何らかの情報があり、何かが切っ掛けで動き始め、咲くのでしょう。

今週、大台ケ原に登りました。行く途中、田舎のあぜ道、田んぼ、電車の沿線一面
真っ赤に染まった、光景を観て、いつもながらの思いをいだき、一時精進の世界に
浸たりました。この思いを抱き、大台の済みきった空気、太古の原生林、涼みきった清流
奇岩から臨む絶景から感じとるものに、体の隅々が洗浄された思いです。

(今週は、毛色を変え、こんな文体を書いてみました。)

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